さすがスタバ~
- ディーン・ノダ

- 4 日前
- 読了時間: 2分
と思ったのだ。

先日、ショッピングセンターに入っているスターバックスでの出来事である。
時刻は14時ごろ。世の買い物客たちが、まだまだエネルギーに満ちている時間帯だ。
店内はそこそこ混んでいるが、行列というほどではない。
私はいつものようにドリップコーヒーを頼み、「すぐ来るだろう」と、ほとんど条件反射のように受け取り口へ意識を向けていた。
ところが、「少しお時間いただきます」とのこと。
おや、と思いつつも、急ぐ理由はどこにもない。
「はい」と素直に引き下がり、カウンター席へ腰を落ち着けた。
するとである。スタッフの方が、すっと近づいてきて、小さな紙コップを差し出した。
「お待ちの間にどうぞ」
アイスコーヒーである。
しかもミニサイズ。メニューに載っていない、いわば“影の存在”のような一杯。
え、これ、どういう仕組み? 有料? サービス? 幻?
一瞬、頭の中に小さな会議が開かれたが、結論は出ないまま、とりあえず受け取る。
聞けば、店舗によってはこうしたサービスを行っているらしい。
なるほど、世界はまだまだ広い。
普段はオフィス街の、戦場のように忙しいスタバしか知らなかった私にとって、この一杯は衝撃だった。本命のコーヒーが来る前に、すでに満足度が天井を突き破っている。
いつもなら、コーヒーは喉を潤すための液体として、ぐびぐびと消費される運命にある。
しかしこの日は違った。
なぜか大切に、大切に、時間をかけて味わってしまう。たかが一杯、されど一杯。
そこに「あなたの時間を気遣っていますよ」という物語が添えられるだけで、こんなにも味は変わるのか。
人は、味そのものを飲んでいるのではないのかもしれない。
そこに至るまでの空気や、差し出された瞬間のやさしさを、一緒に飲み干しているのだ。
結局、本命のコーヒーもきちんと美味しかったのだが、正直なところ、あのミニカップの余韻がすべてを持っていった気がする。
さすがスタバ、である。そして、さすが人の手、なのだと思う。
よい時間だった。ありがとう。スタバ(のスタッフさん)。



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